事業承継に向けて、経営者や後継者が予め準備しておくことは?【「相続財産を守る会」代表 浅野英之弁護士】

事業承継 相続 贈与 後継者

日本には現在2万社を超える老舗企業が存在しております。しかしながら、事業承継時に家族内でトラブルに直面することも少なくありません。

そうであるにも関わらず、当事者はトラブルが発生するギリギリまで心の準備すらできていないのが現状です。

この理由の一つとしては、やはり素人にとって法律は非常に難しく、とっつきにくさがあり、また調べたところで理解が出来ないということが上げられます。

事業承継を行う際、予め必要となる手続きや留意すべき点を把握しておくことにより、事業承継時のトラブルを回避することが重要です。そこで今回は、相続についてのメディア「相続財産を守る会」(https://souzokusp.com)を運営する、弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野英之先生にお話を伺いました。 

浅野英之 弁護士 相続 準備

インタビュイー紹介

弁護士法人浅野総合法律事務所

代表弁護士 浅野英之

「総合」法律事務所として、法人の顧問弁護士からご家庭の問題まで幅広く扱う。特に「相続財産を守る会」を主宰し、相続問題の専門家と協業して複雑困難な案件に対応。

-経歴-

  • 東京大学法学部 卒業
  • 東京大学法科大学院 修了
  • 弁護士法人浅野総合法律事務所 開設 (https://aglaw.jp)


—浅野様が運営されている「相続財産を守る会」とは、どういった事をされている会なのでしょうか。

「相続財産を守る会」は、相続・事業承継にお悩みの個人様、法人様に向けて、弁護士、税理士、司法書士などの専門士業がパートナーを組み、主に法務、税務の面において支援をさせていただくための専門家団体です。

—やはり相談に来られる経営者の方や後継者の方は多いですか?

相続問題を解決するにあたって、弁護士だけで解決できる範囲は限界があります。
税理士、司法書士など、その他の専門家と協業することによって、生前対策から死後の相続手続き、「争続」の解決まで、あらゆる相続問題へのワンストップサービスを実現します。

「どのようなことを、誰に頼んだらよいかもわからない」という方に向けて、メディアを通して相続に関する解説を行っています。

そして、万が一問題が起きた時にこそ、私たち弁護士が、直ぐに頼れる存在として依頼者の傍に寄り添いたいと考えております。

事業承継を目指す経営者・後継者が抑えておくべきポイント(親族内編)

事業承継 経営者 相続 後継者—仰る通り、何かトラブルが発生したときにも、普段から読んでいるメディアがあると相談しやすいですね。

ただ、やはり当事者としても極力トラブルは避けたいはずですが、事業承継時に問題が起きないよう、予め準備できることはあるのでしょうか。

事業承継をする際に必要となる手続きや懸念点として、抑えておくべきポイントをいくつか教えて下さい。

第1に、平時から、会社の価値やリスクを明らかにしておくことをお勧めします。
具体的には、会社の財務内容をチェックしてリスクを明らかにしたり、会社財産や定款等をチェックして法的リスクがないか調査したりしておいてください。
これらのリスクチェックは、弁護士、税理士等の専門家に委託していただくことができます。

第2に、親族内での事業承継で重要なポイントは、後継者教育です。
一般的に、親族内で事業承継をする場合、しっかり準備しておかないと、社外承継と比較すると後継者の専門性や経験などが乏しくなりがちです。
そのため、後継者には社内での実務経験はもちろんのこと、社外での実務経験、海外留学、セミナーへの参加などを通じて最新の知識や広い視野を持たせることを検討してください。

最後に、遺言書の作成も重要です。
生前に事業承継が完了しない場合、相続が事業承継の支障とならないよう、遺言による手当が必要となります。
現経営者の生前に必ず遺言を作成し事業に関する資産・株式等を、後継者に相続させる旨を明記しておく必要があります。

急な相続はトラブルに発展しやすいため弁護士などに相談し、事前に対策を講じておいてください。

事業承継を目指す経営者・後継者が抑えておくべきポイント(親族外編)

—昨今では親族以外での承継も増えてきているかと存じますが、親族内承継と親族外承継では何か異なるところはありますか?同じく抑えておくべきポイントをいくつか教えて頂けると幸いです。

親族外承継の場合には、贈与にあたる場合がありますので、贈与税対策が必要となります。

具体的には、親族内承継を相続によって進める場合に比べると、贈与税の方が相続税に比べ高額になりやすいです。
そのため、税理士などの専門家と相談して節税対策をすることが重要です。

贈与ではなく、自社株式の売買によって事業承継をする場合もあります。
自社株式を取得する場合、後継者に自社株式を買い取る資力が必要となります。
後継者に自社株式を取得できるほどの多額の資金がない場合には、MBOや金融機関などからの借入れを検討するケースもあります。

また、親族外承継では、親族内承継と比べ、社内や社外からの理解が得られにくい場合があります。
例えば、同僚の1人が後継者になることについて他の同僚が反発するといったケースです。
そうならないためにも、できるだけ早い段階で後継者育成に取り組み、社内や社外に後継者に関する情報の周知を徹底することが重要です。

事業承継に関する、法務・税務の事は「相続財産を守る会」で。

—素人にも分かりやすい解説をいただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。

相続財産を守る会」(https://souzokusp.com)では先程ご教授頂いた内容をさらに掘り下げて解説されているのでしょうか。

はい。
法律に詳しくない方でも理解できるよう、可能な限り噛み砕いた解説を心掛けておりますので、是非一度ご覧頂けると幸いです。

またメディアでは、相続に関する一般的な解説記事だけではなく、相続に関するサービスを提供している事業者の方へのインタビュー記事も掲載しているため、そちらも参考にして頂けたらと思います。

一言メッセージ

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—最後に、今後事業承継を控えている経営者や後継者に向けて、心強いメッセージを一言お願いできますでしょうか。

相続・事業承継は、生前からの入念な準備が重要となります。
この際、私達弁護士はもちろんのこと、税理士、司法書士など、さまざまな専門家に、状況に応じて相談をしながら進めていく必要があります。

「相続財産を守る会」では、相続に必要な専門家が協力し、ご相談者の相談内容に応じて、問題解決に適した専門家がご相談を担当します。
相続・事業承継の問題でお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。